こんにちは。旅するデザイナーの江龍(@koryu_artroid)です。今年の3月末に旅を始めて早4ヶ月が経ちました。普段は記録としてラジオ配信をしていますが、ラジオだといまいち伝えづらく、どうしても書き留めておきたいことがちょっとずつ出てきたので、ブログも始めようと思います。ラジオしかりブログもみなさまに楽しんでいただければ幸いです。
ところで目的のない旅をしていますが、自分なりに進めている企画がいくつかあるのでそのうちの一つをスタートします。誰もが普段使っている、”手”に関するお話。
手に感じる不思議な魅力
ぼくらが普段から使っている”手”という道具は、身体中のどのパーツよりも特別な気がします。
絵を描く、ジェスチャーで伝える、料理をする、楽器を奏でる、ものをつくる、こうして自分のアイディアを生み出しているのは、人々の手によるもの。
それだけじゃなく、赤ちゃんをあやしたり、子供を褒めたり、ときには叱ったり。讃える時の拍手や、悔しさを表す握りこぶし、祈りを捧げる合掌のように、自然と手に感情があらわれることもあります。そして、握手をする、手を繋ぐ、抱っこするなど、相手と意思を交わす時にも手は大切な役割を果たしますね。
こうやって自分の頭で考えていたことを一番ダイレクトに表現できるのが、手に秘められた魅力かもしれません。
ぼくは以前からこの”手”というパーツに強い関心を抱いています。なんというか「その人の手を見ればどういう人間なのか分かる」という言葉があるように、人々の手元によく目がいきます。手元を見ていれば顔が見えなくてもなにをやっている人なのかわかる時ありますよね。表情じゃないのに表情がわかる、この不思議な魅力にいつのまにか取り憑かれていました。
いつでも物語をつくっている
旅を始めたときに、この手にフォーカスしたアイディアを活用できないかずっと探していました。そこで始めたのがみんなの手のひらをあつめること。
一人ひとりの人間には彼らの人生があり物語があります。その物語を作り上げているのは紛れもなく彼らの手によるもの。彼らが時間をかけて向き合ってきたものが必ずその人の手や身のまわりの環境にも現れています。
人間は思考やアイディアをひたすらアウトプットし続け、”人生”と”永い歴史”を作り上げてきました。そしてそれぞれの手のひらには必ず物語が存在し、これから作ろうとしている”夢”も存在しています。
そんな人々の手のひらを、彼らの物語と一緒に伝えたい。対象は専門家でも一般人でも構わない、ぼくの心に響いた物語をひたすら集めていきます。
例えばこれは、台湾で出会ったタイヤル族の女性。彼女は自分の工房でワークショップを開き、伝統工芸が失われないようにものづくりをつづけています。
また、こちらはカンボジアで出会った農業を営む男性。彼には農業の力で国を良くしていきたいという夢がある。そのために今日も、農業と向き合い、アイディアを近隣のみんなにシェアしています。
国や歴史によって、抱えてる悩みや抱く夢も様々。とりあえずの目標は100人。彼らがいままでどんなことをしてきたのか、そしてこれからどんなことをしていくのか、一人ずつ紐解いていきます。
語り継がれるように
やがて一冊の本にしたい。“世界中の手のひらを集めた写真集”。
人を楽しませる、世の中を変える、家庭を守る、伝統を引き継ぐ…小さな目的から大きな夢まで、僕らが知りもしないところで、今誰かが何かをやろうとしている。彼らがその手でやっていることはきっとすごく大切なことだ。
「ぼくらもこの手でなにかできるのだろうか?」
この問いかけを自分たちにし続けられるように、世界中のアイディアや思いを一冊に紡ぎたい。時には展示会をしてたくさんの人に知ってほしい。読んだ人を刺激して、なにか新しいことをするきっかけになるように。そして大切な伝統や物語が、手から手へと語り継がれるように…。
これが、旅を通して一番やりたいと思ったことのひとつ。まずはこのブログでひとつずつ紹介していこうと思います。もちろん、ぼくの旅路やちょっとした旅行情報も一緒にお伝えしていこうと思います。今後はラジオとあわせてお楽しみくださいませ。
そういえばぼくが赤ちゃんのころ、寝起きはずっと手のひらを眺めていたそう。この記事のサムネイルはそれを思い出して撮影したもの。旅が終わる頃、この手はどうなってるのかな、そもそも旅は終わるのかな笑
さて、今日はこの手で何をしよう?